瞳の向こうへ
休み時間になるとクラスのみんなが俺のところに寄ってくる。

興味本意だと思うけど、それでも今はいい。

何かクラスの一員になれたような……遅いけどそんな感じがして。

みんなぎこちないけど、手話やってくれたりしてる。

みんなあそこで手話習ってるのかなあ?

最近練習と取材でバタバタして話す機会がないからわからん。

廉に聞いても収穫はなかった。

『今日もテレビ来るかなあ?』

興奮すれば暑さを忘れるのか、夏の太陽を思いっきり浴びながら隣の席の女の子が言った。

『何か有名人になった気分だね〜』

みんなそわそわして落ち着かない。

これが浮き足だってるって感じ?
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