瞳の向こうへ
『相良先輩全国行けるといいな』

『どうした?急に相良先輩の名前出して』

『気になるの?』

『相良先輩大人っぽいしねえ』

『年上の女性に目をつけたか?このモテ男』

急に話題をそらしたのがマズかった。

女子たちからの一斉マシンガン手話攻撃。

悔しいことに手話をかえせないでいる。

廉はニヤニヤしてるだけで本心が読めるはずもない。

『大事な部活がありますので退散しまーす』

女子たちからのおそらくひやかしの声を笑顔で受け止めて意外にもあっさりと教室を出た。

一息ついた途端額から汗がしたたり落ちてる。

これは……図星……ではないと思うけど……。

とにかくだ!!野球小僧なんだこの夏は!

この後グラウンドで取材があるんだからさっさと向かうんだ!

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