不幸体質恋愛?!
そんなやり取りをしたあと、女子が言った。

「えっと、じゃぁなんかお礼をしないと……。手、出してもらえますか?」


その時、俺は思った。


あぁ、こいつもか。と。


スカートのポケットの中を探る彼女がくれるものは、きっと……。

唇を噛み締めながらも、俺は手を出す。

すると。


コロン…。


俺の手のひらの上におかれたのは一つのキャラメルだった。

「キャラメル?」


意外だった。

少なくとも、俺の想像していたものとははるかに違っていた。

「はい、おいしいんですよ、それ!じゃぁあたしはこれで」

よほどおいしいのか、少し興奮ぎみに言ってニコっと笑うと、そしてそのまま去ろうとした。
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