不幸体質恋愛?!
「じゃ、そろそろ帰ろうぜ」

俺が席を立つと、ひなたも一緒に席を立った。

「ん、そうだな!」

廊下への扉をガラッと開ける。

すると、



「キャーーーーーーーーーーーー!!!!」



黄色い悲鳴が廊下を充満させる。


はぁ。

俺は心の中でため息を吐きつつも、顔は笑顔を保った。


「帝くんがお帰りよー!」

誰かが叫んだ言葉を筆頭に、次々に降りかかる、さよならの雨。

「さよなら、帝くん!」

「王子、また明日ですわ!」

「さようなら!」

「桐ヶ谷くんバイバイ!」

俺はそんな声に

「ん、じゃあまた明日な」

と、笑顔で返した。

「きゃーーーーーーーーー!!!!」

途端に広がる黄色い悲鳴。


「相変わらずだな」

ニヤニヤしながらひなたが言う。

「るせーよ」

俺はそう返すと、そのまま、家にかえった。
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