不幸体質恋愛?!



side 菜乃歌



朝ちゃんに迎えに来てもらうようになって1週間。

早いもので4月ももうそろそろ終わりに近づいている。

まだ少し肌寒い風が雲ひとつない空の下、歩道の街路樹の緑を微かに揺らす。

すぅっと息を吸い込むと、暖かな太陽のいい匂いがした。

「あーあ、もう5月かぁー。早いなぁ。ねぇ朝ちゃん」

「ん?ええそうね。もう5月ね」

学校への登校のため、隣を一緒に歩いている朝ちゃんが面倒くさそうに答える。

「あ、5月といえば!もうすぐゴールデンウィークだね!」

高校に入ってから、入学式という一大イベントを終えての二つ目のイベント!

「今年はどこに行こっか?」

「そうねぇ…」

「うんうん!」

ちょうどそう言った時、誰かがわたしの肩を叩いた。

「なんの話してるの?」

わたしと朝ちゃんが後ろを振り向く。

「優良(ゆら)ちゃん!」

一ノ瀬(いちのせ)優良ちゃん。
同じクラスのクラスメイトで、ついこの間仲良くなった女の子だ。

色素の薄い天然パーマの長い髪の毛をハーフアップにしていて、いかにもお嬢様といった感じでとってもかわいい。

瞳が少し青色っぽいのは、おじいちゃんが外国の人だからみたい。

この変な体質のおかげで少し孤立してたあたしたちに明るく声をかけてきて、
今では屋上でのお昼も一緒に食べる仲なんだ!

「おはよっ!菜乃歌、朝子!」






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