不幸体質恋愛?!
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お昼休み。
朝ちゃん、優良ちゃんと一緒にいつも通り教室を出ようとすると、あたしだけ先生に呼び止められた。
「城戸ー。今日日直だったよな。このノートとプリント、職員室に持って行ってくれるかー」
教卓の上にクラス人数分、つまり、40冊のノートとプリントが置いてある。
「あ、はい!わかりました!」
あたしが返事をすると、先生は任せたぞ〜っと行って教室を出て行った。
それを見届けて、あたしは教室の入り口に立っているふたりに言う。
「あっ、朝ちゃん、優良ちゃん。先に屋上に行ってていいよ!」
すると、朝ちゃんは、
「菜乃歌1人で大丈夫?ただでさえ人より不幸体質なのに、そんな重いもの持てるの?」
と聞いてくる。
朝ちゃんはいつも基本無表情だが、長年一緒にいるあたしにはほんの少しの表情の変化がわかる。
今のの顔は心配しているというより、馬鹿にしている感じだ。
もう!ばかにしないでよね!
「ひっ1人で大丈夫だもん!先に行ってて!」
そう言うと、2人は
「はいはいー」
「怪我しないでよ〜」
ひらひらと手を振って教室を出て行った。