不幸体質恋愛?!
まったくー。

ふうっと一息吐き出す。

よしっ。

ノートの上にプリントを乗っけて、ふんすっと気合を入れて、ノートとプリントを持ち上げる。

「よい、しょっと…」

うっ、結構重い…。

これを職員室にっと…。

1年生の教室は5階。職員室は3階。

「難所は二つの階段かぁ…」

つぶやきながら、廊下を歩く。

バランスを崩さないように、ゆっくり、ゆっくりと足を進めて、階段も、そおっと降りた。

一つ目の階段も、二つ目の階段も抜けて、ほっと一息つく。

「ふぅ。今日は転ばなかったな!今日は運がいい日なのかも!」

うきうきした気分になって、そのまま職員室に向かう。

職員室まであと少しとなったその時。

全開にされていた廊下の窓から強い風が急に吹き込んできた。

ビュオオオオオオオッ。

「ひゃあっ!」

ノートの上に乗っけてあったプリントが一斉に散らばって、風に乗って宙を舞う。

「あっプリントが…!ってうわぁあっ!!」

その所為でバランスを崩して、転んだ拍子に持っていた40冊のノートをドサッと落としてしまった。

「あっちゃぁ…またやっちゃったよ…」

廊下にへたりと座り込んでがっくしとする。

今回は大丈夫だと思ったのになぁ…。

と、その時。




「大丈夫?」




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