一途な僕から鈍感な君へ
係の人も『オタク』と書いてあると思ったらしく声を荒立てた。
それを聞いた外野も唖然とする。
「…………はっ!ちょっと~三井君!恥ずかしいからって嘘は駄目よ~
ちゃんと内容確認するんだから!
って事で、『すきな人』じゃなくて『オタク女子』を借りてきた三井君は失格でーす!」
頭の回転が良い係の人は、内容が恥ずかしくて違う借り物で誤魔化したと見抜いたらしい。
流石に放送の係をしているだけあって、笑い話にすると校庭にいる皆が笑い出した。
三井だけは、唖然として居たが、
友達らしき人が集まって来て「ちゃんとやれよ~」なんて小突かれると苦笑いしていた。
そして、私の方を向くと、「あのさ…」と遠慮がちに声を掛けてきた。