一途な僕から鈍感な君へ




初めて聞いたその声が透き通っていて、
確かこの人はバンドのボーカルしてるって聞いたなと思い出す。



きっと、この声で歌われた曲は透き通って聞きやすいんだろうなと、
アニソンにしか興味のない私でさえ思った。



そんな声で、私に何を言おうとするのか…
『連れてきてごめん』だろうか?


どっちにしろ、初めてで謝られるのは嫌なので、私は口を開いた。






「全くーどうせ誤魔化すなら、『オタク女子』とかじゃなくて、『好きな男子』連れて来ちゃえば良かったのに!
いや、BLは私の範囲内じゃないんだけど、『俺はコイツが好きなんデス☆』とか言っちゃえば、逆に盛り上がったのに~
腐女子も腐男子も大喜びだしね!!」


私があまりにも突拍子もなく言うものだから、三井の周りに居た人たちが「それ良い」なんて同意し始めたり、「じゃあ校長とか…」なんて話を広げたりしている。




 
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