一途な僕から鈍感な君へ
近づいて
「だから、あれは漫画とアニメ化では内容が全然違うんだ。
ハッキリ言ってあれは別物だから。題名とキャラ名と内容設定が同じなだけ」
「それって二倍楽しめる事?」
「いや、原作ファンからしたらアニメ化はクソだ」
「私はアニメ化結構好きだがな!」
「……クソがここにも一匹」
「あん!?」
体育祭が終わり、日に日に寒くなり始めた今日この頃。
移動教室へ向かいながら、相変わらずアニメオタクを発揮する私と秋谷。
こないだクラスの女子が「花菜外見は普通なんだし、秋谷君だって外見は良いんだから、オタク話しなければカップルみたいなのに」と言っていた。
確かに私たち2人からオタク話を取り除けば、世間で言う『普通』になるだろう。
しかしながら、『異様』に見えるとしても、私と秋谷の間ではアニメの話は欠かせないんだ。