一途な僕から鈍感な君へ




そんな日常が、最近異変を見せた。


それは、体育祭後からの事。






「あ…花菜。移動教室?」


前方から透き通った男子の声。





体育祭の借り物競争からの縁でか、学校で見かけると声を掛けてくる三井。




秋谷にジッと見下ろされても、『自分のが背が高いからっていい気になるなよ』って言い返せるのに、
三井にジッと見下ろされると、居心地がすこぶる悪い。
顔が整って綺麗すぎるからだろうか?
知り合ってそんなに立ってないからだろうか?

なんだか彼の目線は、強くて痛くて、居たたまれなくなる。





「そう…移動中。さっ、秋谷氏行くぞ」


その目線から逃げるように、秋谷に声を掛けて三井の横を通り過ぎる。







過ぎたと思った瞬間……


ぐっと引っ張られる腕。




 
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