一途な僕から鈍感な君へ
私の答えに「ん…?え…12!?あ…妄想………じゃあ、現実問題居ないんだよね?」
と、悲しい事実を繰り返し聞いてきたので、黙って頷く。
そこのところで、校舎内に響くチャイムの音。
「げ!遅れる!」
飛び跳ねるように走りだそうとすれば、
「花菜」
とまた呼ばれて振り返る。
「放課後、軽音部室来て」
さらっと言葉を残して背を向ける三井に断る事もできず、
まあ予定無いし良いか程度に考えていた。
「はい!?初回限定にDVD付きですと!?」
それは放課後に知らされた朗報だった。
秋谷の情報によると、今日発売の漫画に、初回限定でDVDが付いてるらしいという事。
「行かなければ!!」
すっかり盛り上がっていた私は忘れていたんだ。
『放課後、軽音部室』を………