一途な僕から鈍感な君へ




秋谷と並んで廊下を歩く。

2人とも、ウキウキしているので足取りは軽い。

いつもなら私のアニメ論に文句を付ける秋谷だが、今日は『まあ、そういう見方もアルヨネ~』なんて生暖かい受け答えだった。




下駄箱に差し掛かった時、
デジャヴのような感覚。



それは、私の腕が引っ張られたから………



振り返れば、少し怒っているのか不機嫌な顔の三井で…








「何、帰ろうとしてんの?」

声まで不機嫌だった。






「………あ!初回限定に気を取られて忘れてた!」


言われた事を今になって思い出した私は、三井と初回限定を天秤に掛けてみた。


明らかに初回限定のが重く傾いた私は、三井に訳を話して帰ろうとした。



「お~い、青木?」


先に靴を履き替えた秋谷が、私と私の腕を掴む三井を見る。





 
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