一途な僕から鈍感な君へ
「………あいつと帰るの?」
三井が折れそうな声で私に聞く。
…………何でだろう。
天秤に掛けて、初回限定のが大切だと優先だと思ったはず。
秋谷と初回限定の漫画買いに行くから帰るって言おうとしたはず。
でも、何故だか三井をほって置けなくて…
三井に掴まれたままの腕が離して欲しくなくて…
「秋谷、ごめん!三井と約束あったんだ!1人で行って!」
普段なら有り得ない言葉を吐いていた。
何故だろう。
私の言葉を聞いた三井の顔が、柔らかくなったのは……