一途な僕から鈍感な君へ
一階、階段側の防音設備が整った一室が軽音部室となっている。
三井が重たいドアを開ければ、中から楽器の音と話し声がする。
「翼、おせーよ」
「歌詞できた~?」
なんて声が聞こえる。
三井が誰に答えるでも無く、軽音部室に入っていくので、後ろに居た私もそのまま入ってドアを閉める。
中は、教室より狭いスペース、西日が差して黄金色の室内、ゴロンと置かれた機材と楽器、男子が4人。
その4人が顔を上げて、三井を見た後に後ろの私を見る。
「………………」
「………………」
「………………」
「……おいっす」
沈黙後に、私が片手を上げて挨拶する。
4人は揃って驚いた顔した後に三井を見た。