一途な僕から鈍感な君へ
「つっ翼!この子体育祭の時の!」
「オタク女子!」
「えっ!?何々、何で居るの!?」
4人の内3人が何故か慌てながら問う。
この挙動不審さ……お前等は、
受験勉強中隠れてエロ本見てたら、急に親が部屋に入ってこようとしたもんで慌ててエロ本を片付ける中坊か!
「何だ、仲良くなれたのか?」
落ち着きの無い3人をよそに、1人落ち着いて椅子に座っている男子が三井に言葉を投げかけ、私を見ればニヤニヤ笑う。
この人、クールだ。クールに低音のベースを弾くんだろう…
だって膝にベースがあるから……
三井は「ぼちぼちね」なんて言いながら、4人が座る近くへ行き、椅子を2つ置く。
片方の椅子に座ると、「花菜おいで」と、私にもう一つの椅子を勧めてくれた。