一途な僕から鈍感な君へ




二次元慣れしている私には、直ぐに三次元へ対応できるほど身体が柔軟されてないのだ。



二次元…………二次元…………に………



バッと夏樹を見る。


夏樹は驚いたようで、肩をビクッと動かす。



「……やっぱり!夏樹さん!















『TKGラブ☆』の『伊集院先輩』に似てるんだ!!」







私の活き活きとした叫び声に、
その場にいる5人が1分間黙り込んだ。











「えっと…花菜ちゃん…そのTPO?何とかって…何?」


恐る恐る聞く夏樹に私は、胸を高鳴らせた。



「TPOじゃなくて、『TKGラブ☆』ね!今期夜中にて放送中のアニメだ!男子向きラブコメなんだけど、主人公を優しく見守る伊集院先輩!彼は主人公が好きなのに、幼なじみと兄的存在という関係柄、告白もしないでただ見守り続けているんだ。時には助けて…時には作者からも忘れられて…」




私は目を細めて夏樹を見る。

彼の表情も雰囲気も…似ているのだ。伊集院先輩に。



 
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