神隠しの杜
神隠し明け
もう戻ってこない気がする。
水露は雨芭の事も責める気はなかった。最初からなんとなくこうなるような気がしていた、あくまでもなんとなくで信じてはいなかったが。
水露は一人残された部屋でぼーっとしていた。
部屋の中にはコンビニで買ったパンやカップラーメン、飲料水が山のように入った袋が二つある。
「真冬のバカ……か弱い乙女おいてくなんてバカよ……バカ……」
今まで泣いた事がない水露は初めて涙をぼろぼろと零した。