神隠しの杜
そんな事をさらりと言ったあと、神(じん)は子供のような無邪気な笑顔を浮かべた。
その笑顔からは何も読め取れず夕羅は困惑する。何の根拠があって、そんな事を言うのか。
「嘘でしょ?だって、兄様がそんな事言うはずがないもの。兄様は――」
「クックッ」
「何がおかしいの!?」
思わず夕羅が叫ぶと愉快そうに言った。
「お前は絆なんてものが、本当に存在すると思うの?なら、とんだお門違いだな。きれいごと並べるのがお得意だっけ、人間様は」
小馬鹿にしたような口調に夕羅は肩を震わせた。
「わたしは――」
言い募ろうとした夕羅を神が遮る。
「神隠しの半人前でしょ、まだヒトだよお前」
嫌な笑顔を浮かべながら神は唄をうたい始めた。
その笑顔からは何も読め取れず夕羅は困惑する。何の根拠があって、そんな事を言うのか。
「嘘でしょ?だって、兄様がそんな事言うはずがないもの。兄様は――」
「クックッ」
「何がおかしいの!?」
思わず夕羅が叫ぶと愉快そうに言った。
「お前は絆なんてものが、本当に存在すると思うの?なら、とんだお門違いだな。きれいごと並べるのがお得意だっけ、人間様は」
小馬鹿にしたような口調に夕羅は肩を震わせた。
「わたしは――」
言い募ろうとした夕羅を神が遮る。
「神隠しの半人前でしょ、まだヒトだよお前」
嫌な笑顔を浮かべながら神は唄をうたい始めた。