神隠しの杜
まるで、本やゲームの世界に迷い込み自分が、その中の主人公にでもなったような気分である。
緋葉は淡々と言った。
「神隠しなんてヒトの創造した言葉で、単なる呼称でしかないと思うかもしれないが――ヒトが、神隠しをこの世に送り出してしまった」
「どういう意味だ……?」
「オレは神隠しだが、神隠しの始まりじゃない。神隠しの始祖は――夕羅。オレは夕羅に気に入られたに過ぎない……そもそもの始まりは、隠れ町の前にある」
歩は瞬きを忘れ、ただそれを聞いていた。
初めて聞く事ばかりで頭は混乱し、最早まともな思考は働かず――歩は緋葉の瞳をただ、じっと見つめていた。
嘘だと否定したところで意味はなく、そもそも否定し続けたせいで、思考する事も疲れた。
緋葉は淡々と言った。
「神隠しなんてヒトの創造した言葉で、単なる呼称でしかないと思うかもしれないが――ヒトが、神隠しをこの世に送り出してしまった」
「どういう意味だ……?」
「オレは神隠しだが、神隠しの始まりじゃない。神隠しの始祖は――夕羅。オレは夕羅に気に入られたに過ぎない……そもそもの始まりは、隠れ町の前にある」
歩は瞬きを忘れ、ただそれを聞いていた。
初めて聞く事ばかりで頭は混乱し、最早まともな思考は働かず――歩は緋葉の瞳をただ、じっと見つめていた。
嘘だと否定したところで意味はなく、そもそも否定し続けたせいで、思考する事も疲れた。