神隠しの杜
冬空の下三人で背中を丸めながら歩く。吹きつきける風は容赦ない。
防寒具にコートとマフラー、それに手袋をしていてもやはり寒く、吐く息も白い。
「あーあ、田舎だからコンビニなんて大通りしかないし」
「寄り道は学校から禁止されてるじゃないか」
歩は大きくため息をついた。
立ち寄りで唯一許可されているのは図書館だけだった。朝の時間にも読書の時間が組み込まれるくらい、歩たちの通う学校は読書を大事にしている。卒業生たちが本を寄贈してくれているおかげで、かなり潤っているらしい。
隼政は一年生と二年生の冬の時でも決まって、同じ事を言っていた。
夏生まれの隼政は暑さに強く寒さには弱いため、冬場は毎日のように愚痴をこぼしているくらい冬が苦手で、コンビニを避暑地扱いしている。
正確に言えば、避寒地になるかもしれないが。
いつもの別れ道の目印としてある、隠れ神社の前で歩は隼政と雪芭と別れた。
そこからの記憶が、歩にはなかった。
綺麗に記憶が途切れていた――――
防寒具にコートとマフラー、それに手袋をしていてもやはり寒く、吐く息も白い。
「あーあ、田舎だからコンビニなんて大通りしかないし」
「寄り道は学校から禁止されてるじゃないか」
歩は大きくため息をついた。
立ち寄りで唯一許可されているのは図書館だけだった。朝の時間にも読書の時間が組み込まれるくらい、歩たちの通う学校は読書を大事にしている。卒業生たちが本を寄贈してくれているおかげで、かなり潤っているらしい。
隼政は一年生と二年生の冬の時でも決まって、同じ事を言っていた。
夏生まれの隼政は暑さに強く寒さには弱いため、冬場は毎日のように愚痴をこぼしているくらい冬が苦手で、コンビニを避暑地扱いしている。
正確に言えば、避寒地になるかもしれないが。
いつもの別れ道の目印としてある、隠れ神社の前で歩は隼政と雪芭と別れた。
そこからの記憶が、歩にはなかった。
綺麗に記憶が途切れていた――――