神隠しの杜






「――本当は、こんな事したくないんだろう、夕羅は優しい奴だ……もう、“神隠し”として生きなくていいんだよ」






夕羅の瞳が大きく見開かれる。






“神隠し”として生きなくてもいい…………?






“存在理由”を、大好きな緋葉に否定された夕羅はかぶりを振る。






“神隠し”と生きなければならなかった自分。






“神隠し”として生きるしかなかった自分。






< 97 / 164 >

この作品をシェア

pagetop