身勝手な恋情【完結】

「い、いえ、そんな、不満なんて、んっ……」



そのままあごの下を指で撫でられて、ぞくぞくと全身にぬるま湯につかるようなしびれが走った。


顔を逸らそうとすると、もう一方の手で後頭部をつかまれる。



「や、やだ、蓮さん、わたし、猫じゃないのにっ……恥ずかしいですっ……」

「俺はね、お前が『いや』だっていうことをもっとしたいんだ」

「っ……」

「なんでだろうね? もっと辱めたくなる……泣かせたくなる」



しれっとした様子で微笑む蓮さんは、そのまま私の頭を引き寄せて。そして、私の目の縁に残る涙を唇で吸いとってしまった。



「蓮、さ……」



なんでだろうねって……

むしろそんなの、私が聴きたい。

っていうか、私の台詞だよ……。



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