身勝手な恋情【完結】
角度を変え、強弱をつけてかわす強烈な口づけ。
歯列をなぞる熱い舌。
「ふっ、あ……」
普段意識しないところばかり攻められて、馬鹿みたいに感じて、体がぷるぷると震えた。
舌が引き抜かれてから彼の名前を呼ぶと
蓮さんは私の首筋を猫のようにざらりと舐めながら
「しかもそんな、物欲しそうな声で……それで俺を煽ってるつもり……?」
ついばむように、首筋から頬、こめかみへと唇を移動させる。
そして私の額に張り付いた髪を指で取り除きながら薄く微笑む。
青みがかった三白眼が燃えるように輝いている。