身勝手な恋情【完結】
微妙に傷ついた私は、
「じゃあ、おっきいベッドでも買っちゃおうかなーっ!」
なんて、無駄にはしゃいでしまった。
彼の冷めた視線が私に向けられて、ああ、失敗したって実感する。
はぁ……。私のバカ。
「この部屋に?」
案の定、八畳の部屋ををくるりと見回す蓮さんの表情は、至極冷静。彼の美意識にそぐわないことは一目瞭然だった。
「すみません……」
しょぼん、とうなだれる私。
彼はシャツの上にジャケットを羽織り、言葉を失った私を置いて部屋を出て行った。
うむむ……手ごわい。