身勝手な恋情【完結】
ベッドの上で膝を抱える。
今日くらい、泊まっていってくれるかと思ったのに……。
ふと、社長室でひどくうなされていた彼の姿を思い出していた。
あれは本当に『夢見』が悪かっただけなんだろうか。
それにしては尋常じゃない雰囲気だったけれど……。
体を重ねて、心をさらけ出して
彼を知れば知るほど、蓮さんのことがわからなくなるような気がする。
そうやってひとしきり悩みながら膝小僧におでこをくっつけていると、玄関のドアが開く音が聴こえた。
え?
顔を上げると、蓮さんが靴を脱いでスタスタと戻ってくるところだった。