身勝手な恋情【完結】
そんなふうに慌てふためく私を見て、
「わかる、わかるよ! そりゃ俺だってこの山積みされている仕事さえなければ、お会いしたいよっ……めったに帰国されないしねっ……だけどね、だけどっ……くっ……! 残念ながら、今日は徹夜なんだ……」
祐さんは本当に悔しそうにデスクの上の書類を睨みつけ、うっすらと涙さえ浮かべる始末。
「あの、れ、しゃっ、社長は……?」
「クライアントのところから直接行く。だから櫻さんは招待状を持って、彼に渡してほしい。今回のパーティーは本当にセキュリティが厳しくて、招待状がなければ入れないから」
「わ……わかりました……」
「はぁ……俺が行きたかったんだよ、本当に……!」