身勝手な恋情【完結】
無理な体勢でのキスは、唇の表面が一瞬触れ合うだけですぐに離れてしまった。
だけど……キス……蓮さんが私にキス!!!!
驚いて、目をぱっちり開いたままの私。硬直して、蓮さんを見上げるだけで。
いくら蓮さんが不機嫌そうな顔をしていても、目を逸らすことが出来なかった。
だってだって!
蓮さんには嫌われたんじゃないかって思ってたし……。
もしかしたらこのまま終了なのかと思ってたくらいだし……。
どうしよう、すっごく嬉しい!!!!
「――なに、その間抜け顔」
切れ長の目を細めて私を見つめる彼。