身勝手な恋情【完結】
「っ……!」
彼の大きな声にビクッと体を揺らす私を見て、蓮さんがまたため息をつく。
「悪かったよ……」
蓮さんは吐息交じりにそう、私に謝って――
(蓮さんの謝罪なんて初めて聞いた)
「悪かった」
そのまま私の体を抱き寄せる。
どうして蓮さんが謝るの?
意味がわからない。
「――お前の好きを信用できないと言ったのは、俺が勝手に予防線を張っただけ。お前の傷をえぐるつもりはなかった……ごめん」