身勝手な恋情【完結】
「初めてではありませんので、どうぞお気遣いなく……」
「そう」
王様は下僕の言葉にとりあえず安心したのか、止めていた手をゆっくりと動かし始める。
多くの作品を生み出してきた彼の手が私の足を広げる。
プレゼンテーションでたくさんのライバル社を蹴散らしてきた唇が、私の柔らかい場所に口づける。
「ん……っ……」
どうしよう。
裸になっておいてなんだけど、社長とこういうことするのって、緊張して絶対無理だと思っていたのに、なんと普通に感じちゃっている。
けれどひんやりとした社長とは裏腹に、一人で体を熱くすることが恥ずかしくて。とっさに手の甲で口元を抑えると
「いいね。俺、ウルサイ女嫌いだから」
と、彼は本気なのか冗談なのか(いやきっと本気だ)満足げに、その切れ長の目を細める。