身勝手な恋情【完結】
蓮さん、25日も仕事だよね。
そのあと二人で食事くらい出来るかな?
せっかくだからちょっといいワイン買って、手料理食べてもらいたいんだけど……。
そうやってスケジュール帳とにらめっこしていると――
「すみません!」
凛、と響く若い女の子の声。
ん?
顔をあげると、入口に通学鞄を持ったセーラー服の女の子が立っていた。
なぜここに女学生が?
もしかしたら職場見学の申し込みだろうか。
突然やってきた奇妙な来客に、事務所の中にいた何人かが腰を浮かせる。