身勝手な恋情【完結】
「いたた……っ……」
っていうか、胸が痛むとかそういう以前に、本当に「痛い」んだけど。
おなかの上のほうがキリキリと切りつけられるような痛みが走る。
「――君、しっかりして!」
立花さんが崩れる私の体を支える。
「すみま、せ、」
痛みと羞恥と、なんだかごちゃごちゃになって、どっと汗が噴き出してくる。
「――草介君!」
早く起きなきゃ……
また二人に迷惑かけてしまう……。
「はい? わっ、どうしたんですか!?」
早く――
でも
「痛い……」
生まれて初めての痛みに、完全に気が遠くなっていた――。