身勝手な恋情【完結】
自分ですらここ最近忘れていた。
和明と別れた理由――
そして私がやりたいこと……
蓮さん、私のことを考えてくれてる……?
そのことに気づいた瞬間、ぐうっとお腹の底から熱い塊のようなものがこみ上げてきた。
なんなの、蓮さんって……。
どうしてこんなに、素敵なの?
「――俺だってなんだか天才肌みたいな言われ方してるけど、毎日勉強してる。そうだ、あの立花薫だって人一倍――うわっ!?」
珍しく蓮さんが驚いた声をあげる。
どうして?なんて考えることもない。
気がついたら、振り返りざまに蓮さんに飛びつき、彼をベッドの上に押し倒していたんだ。