身勝手な恋情【完結】

自分ですらここ最近忘れていた。


和明と別れた理由――
そして私がやりたいこと……


蓮さん、私のことを考えてくれてる……?


そのことに気づいた瞬間、ぐうっとお腹の底から熱い塊のようなものがこみ上げてきた。


なんなの、蓮さんって……。

どうしてこんなに、素敵なの?



「――俺だってなんだか天才肌みたいな言われ方してるけど、毎日勉強してる。そうだ、あの立花薫だって人一倍――うわっ!?」



珍しく蓮さんが驚いた声をあげる。


どうして?なんて考えることもない。


気がついたら、振り返りざまに蓮さんに飛びつき、彼をベッドの上に押し倒していたんだ。


< 270 / 469 >

この作品をシェア

pagetop