身勝手な恋情【完結】
その瞳があまりにも澄んでいて美しいから――
一瞬言葉を失う私。じっと彼の瞳を見つめ返す。
すると蓮さんは、ふっと花がほころぶように笑って言ったんだ。
「お前が好きだよ」
って。
「好きだ。お前が愛おしくてたまらない……」
「――」
何を言われたのか理解できなくて、思考回路が停止した。
けれど蓮さんはそのまま凍り付いた私の頬を指の背で撫で、両手で頬を包み込み引き寄せる。
「ひよ……」
触れ合う唇はかすかに震えていた。
「好きだ……」