身勝手な恋情【完結】
ようするにあれかな。
飴と鞭を使い分けてこそ……ってことなんだろうか。
で、私ったらまんまとのせられちゃってるんだろうか。
でもいい。
蓮さんのこの一言で、私は本当に幸せになれたんだから……。
「蓮さん、ありがとうございます……嬉しい」
蓮さんの鎖骨の下に顔をうずめる。
蓮さんらしい、少しクールな香りに包まれて、このまま眠ってしまいたかった。
「ひよ……お前って、本当に……」
蓮さんは苦笑しながらも、くっつく私の後頭部を優しく撫でる。
「馬鹿みたいに素直だね」
「だから……馬鹿は余計です……」