身勝手な恋情【完結】
一人減り、二人減り、気が付いたら事務所には私一人。
いや、正確には別室に蓮さんと祐さんがいるけど……。
「――櫻さん、お疲れ様」
「あ、お疲れ様です!」
祐さんが、そして蓮さんが社長室から出てくる。
「とりあえず三人でメシでもどう? おなか空いたでしょ」
祐さんの言葉に蓮さんが後ろでこっくりとうなずいた。
――――……
三人で青天目ビルヂングのすぐ近くにある居酒屋に入る。
祐さんがテキパキと料理を頼んでくれた。予想通り、蓮さんは何もしない。
ちなみに私はまだ本調子ではないから、メインは消化のよさそうなお野菜たっぷりのお鍋にしてもらった。
「櫻さん、痩せたのってこいつのせいでしょ。ごめんね」