身勝手な恋情【完結】
適当って……
あんまりだ、と思ったけれど、蓮さんらしいといえば蓮さんらしいよね。
それに蓮さんは私への思いをちゃんと行動で示してくれたんだから、十分だし!
で、和美を誘おうと思ったけれど、和美は和美で地元の友達と約束をしてしまったとかで。
落ち込んでいた私、ふと草介さんから貰った招待状のことを思い出したんだ。
だけどどうしても蓮さんのことを思い出してしまって――
「はぁ……」
「そんなため息ついて。幸せ、逃げそうだ」
苦笑する草介さんをハッと見上げる。
「あ……せっかくのパーティーにすみません……! あの、他の方のところに行っていただいても……」
ノアには今20人くらいの人がぎゅうぎゅうと入っていて、クリスマスメロディーのジャズアレンジがかかり、かなり大盛況だ。
ちなみに一人で来ているのは私だけという切ない状況だけど……。