身勝手な恋情【完結】
「俺がここにいたいからいいの」
「え……」
「なんていうか、ひよさんって構いたくなる感じがこう……長男体質にはたまらないというか」
「長男体質……?」
「ひよさん、妹でしょ」
「はい、兄と姉がいます」
「やっぱりね」
うんうん、とうなずく草介さん。
「俺は上に姉と、下に弟と妹がいるんだ」
「そうなんですかぁ……あ、でもぴったりかも。お兄さんって感じです」
お兄さん体質っていえば、そういえば祐さんは兄弟いそうだなぁ……。
同い年の蓮さんですら面倒見てるもん。
「草介さんらしいです」
にっこりと笑いかけると、彼は一瞬目を丸くして、ぱちぱちをまばたきをする。
「あー……あのね。前から言おうと思ってたんだけど、よかったら敬語やめて普通に話さない?」