身勝手な恋情【完結】
ん……まぶしい。
まぶたの裏が白い。
じわっと目を覚ますと、そこには見慣れない風景が広がっていた。
「わっ……!」
驚いて飛び起きると同時に、肩から毛布が滑り落ちる。
「あ……ノア……」
床に落ちた毛布を持ち上げながら周囲を見回すけれど、店内には誰もいない。
「草介さん……?」
きょろきょろしているとドアが開いて、外から草介さんが戻ってきた。
「目が覚めた?」
「うん、あの、もう閉店?」
「ついさっきね。今、外の電気消してたところ」
「ごめんなさい、私本気で寝ちゃってたみたいで」
腕時計を見ると、とうに終電は過ぎている時間だった。
まぁ、タクシーで帰ればいいんだけど……