身勝手な恋情【完結】
「じゃ、行こうか」
草介さんのあとをついて店を出る。
彼が店の近くに停めていたバイクは大きくて――
「カッコいい!」
「ありがとう。はい、ひよさんのヘルメット」
はしゃぐ私に草介さんは苦笑しつつヘルメットをかぶる。
そして草介さんの言うとおり、バイクで青天目ビルヂング近くまであっという間だった。
「送ってくれてありがとう」
「どういたしまして」
ヘルメットを脱いで渡し、ぺこりと頭を下げる。
「あ、これよかったら彼氏と食べて」
草介さんがポケットから小さな紙袋を差し出した。
「え?」
「俺が作ったジンジャークッキー」
「わあ、ありがとう!」
紙袋を受け取って中を見ると、可愛いジンジャークッキーが詰まっていた。