身勝手な恋情【完結】

「じゃ、行こうか」



草介さんのあとをついて店を出る。


彼が店の近くに停めていたバイクは大きくて――

「カッコいい!」

「ありがとう。はい、ひよさんのヘルメット」

はしゃぐ私に草介さんは苦笑しつつヘルメットをかぶる。


そして草介さんの言うとおり、バイクで青天目ビルヂング近くまであっという間だった。



「送ってくれてありがとう」

「どういたしまして」



ヘルメットを脱いで渡し、ぺこりと頭を下げる。



「あ、これよかったら彼氏と食べて」



草介さんがポケットから小さな紙袋を差し出した。



「え?」

「俺が作ったジンジャークッキー」

「わあ、ありがとう!」



紙袋を受け取って中を見ると、可愛いジンジャークッキーが詰まっていた。



< 303 / 469 >

この作品をシェア

pagetop