身勝手な恋情【完結】

青天目ビルヂングから私たちが住んでいる部屋が近いのが幸いしたのか

とりあえず私は呆然自失ながらきちんと帰るべき場所に帰っていた。



ドアを開け、

「ただいま……」

と言ってはみるけれど、もちろん部屋は真っ暗で蓮さんの姿はない。


なんだかまださっき見たものが信じられなくて。ぼんやりしながら荷物をソファーの上に置き、シャワーを浴びた後お茶を沸かす。

舌が焼けるほど熱いダージリンを少しだけ飲んで、そのまま広いベッドにもぐりこんだ。


シーツはひんやりと冷たくて、いつまでたっても暖かくならない。

一人で眠っていたシングルベッドだったらこんなことなかったのに。


っていうか、蓮さんと一緒に住むようになっても、一緒にベッドに入ったことなんてほぼないもんね。

私が先に眠っていて……

で、いつの間にか蓮さんがベッドにもぐりこんでいるか、朝帰りで……



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