身勝手な恋情【完結】
蓮さんの唇が私の首筋から鎖骨へと移動し、大きな手でもみしだかれて形を変える胸の真ん中に触れた。
「っ……」
私の抑えた声は本当に小さくて、衣擦れの音にまぎれてしまうほどなのに、蓮さんにはきちんと届いているのか「ククク」と楽しげな反応をしている。
もう、寝てるふりなんて無理!
「蓮さんっ……」
「ひよ……目を覚ましたの?」
蓮さんは薄暗闇の中で目を細め、微笑を浮かべる。
「あ、あの、」
このままいつものように、気持ちいいことに流されてはダメだ。
知寿さんと一緒にいた理由を聞かなきゃ――
シーツをつかんでいた手を蓮さんの髪の中に差し込む。
「蓮さん、待って……」
「お前、ここでストップかけるなんて鬼?」
彼は私の手をつかみ、シーツに縫いとめるように押し付けると、指、舌、唇、歯先で、緩急をつけて私をいたぶる。