身勝手な恋情【完結】
「で、可憐さんは見つかったんですか……?」
「ああ。友達と一緒にいたよ。繁華街の、ちょっと悪い場所だったから、俺も一緒に迎えに行った。本当はもう少し仕事を早く終えて、帰ってこれると思ったんだけどね。悪かった」
そして蓮さんは私の手を引き、彼の膝の上に横抱きにするように座らせた。
蓮さんの大きな手のひらが、私の膝の上に乗せられる。
そしてこめかみについばむようなキス――
「本当は、早く帰れたんですね……」
落ち込んだり、嬉しくなったり。
なんだか恥ずかしくて、それを誤魔化すように不平が口をついて出る。
そうよ。私、蓮さんが知寿さんと二人でいることにかなりのショック、受けたんだから!