身勝手な恋情【完結】
で、蓮さんは、自分の立場を知って、父親として可憐さんのお願いを聞いてあげたいと真摯に考えて
(可憐さんにとっては兄だけど)
二度と会わないと決めた知寿さんの話も聞いて――
「ひよが悩むことはないよ。父親として出来ることは、と思っているけれど、知寿との関係はとうに終わってる。俺が可愛いと思うのは、お前だけだ……」
「あ、蓮さん……」
蓮さんの手がパジャマの中にすべり込む。
「触るだけ……風邪をこじらせたら大変だからね」
「っ……」
「いつまで経っても眠らない子におしおきだよ」
「そんなっ……」
甘く意地悪にささやかれて、背筋がゾクッと粟立った。
「俺はクリスマスなんてどうでもいいけど……お前はそうじゃないんだろ?」
「――」
「ひよ? 素直に言ってごらん」
指先が胸のかたちをたしかめるように動く。