身勝手な恋情【完結】
「あっ……」
的確に動く繊細な指先に翻弄され、のけぞる私の首筋に口づける蓮さんの髪が肌にふれて、ドキドキする。
何度抱き合っても緊張する――
「れん、さ……」
そうやって蓮さんは私を愛撫しつづけたあと、ぐったりと脱力した私を抱き上げベッドへと運んだ。
「これでぐっすり眠れるね」
「蓮さん……」
ぼーっとする頭で、蓮さんの腕をつかんだ。
「蓮さん、ベッドで眠ってください……あの、移したりしませんから……」
「それ、オネダリ?」
「えっ?」
オネダリかって……そうじゃないけど。違うけど……。
要するに、オネダリならベッドに入ってもいいよってこと?