身勝手な恋情【完結】
なに言ってるんだろう、私ったら!
我に返った瞬間、頬がカッと熱を持った。
「あ、そう」
なのに、蓮さんはあっさりとうなずきベッドに腰を下ろす。
「どうしようかな。抱っこしてあげてもいいけど……」
それまであれこれされていたのに、この仕打ち……この態度……
「もうっ……いいです……っ」
蓮さんのばかっ!
プイッと目を逸らし毛布で顔を隠すように引っ張り上げると
「くくくっ……」
蓮さんが楽しげに声をあげて笑うのが聞こえる。
「ひよ、怒ったの?」
「お……怒ってるかもしれませんねっ……」
勇気を振りしぼって言ったのに、
「それは怖い」
口ではそう言っても、蓮さんはさして気にしていないみたい。
そして体を倒してきた彼に毛布ごと抱きしめられてしまった。