身勝手な恋情【完結】
慌てて社長の腕の中から逃げようと体を動かしたけれど、ほっそりしているくせに意外にたくましい社長は、しっかりと私の腰と頭の後ろに手をまわし、強く引き寄せ自由を奪う。
だ、だめだよ、こんなの……!
「んーっ、んんっ……!」
抗議のために口を開くとすぐに舌がねじこまれ
からみあい、こすりあい、なぞり、かみ、すすって、私の口の中を堪能する。
ベッドの中よりもさらに強烈な口づけに、脳天からつま先までが痺れるような衝撃に襲われて、目眩がする。
結局体も言葉も奪われてしまった。
や……どうしよう……
くらくらする……
立っていられないよー……
ずるずると膝から崩れ落ちそうになるのが怖くて、とっさに社長のジャケットをつかんでいた。