身勝手な恋情【完結】

「結局、恋って、自分の気持ちを押しとおすことしかできないんですかねぇ……」



はぁぁぁぁ、と、魂まで抜けそうなため息をこぼす。




「なにそれ、意味深ー!」

「なにって、言葉通りの意味ですよ……」

「詳しく!」

「気になる!」

「だーかーらー! しょせんエゴのぶつかり合いっていうかー」




和美の言葉に周囲はやたら盛り上がってはいたけれど……

はしゃいでは見せても、どこか寂しげにも見えた彼女の横顔に、私は深く追求する気にはなれなかった。




――――……



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