身勝手な恋情【完結】

祐さんは、蓮さんと血が繋がっているとは思えないくらいいい人だし。
告白したら、たとえダメでもすごく気を使ってくれそうだし……。
(それもまた複雑だけど)



そうやってとりとめのない雑談をしているとあっという間に時間が経って行く。

自販機の横にぼんやりと立っていただけなんだけど、次第に冷たい風が体に染みてきた。


うう、寒いなぁ……

そろそろ酔いもさめたみたいだし、和美をタクシーに乗せて私は蓮さんの様子を……



「――わかった、告白する」

「え!?」



唐突すぎる和美の発言に今度は私が驚く番だった。



「今、なんて?」

「だから、告白する。砕ける! 今から彼を呼び出すから!」

「え!?」

「ひよはもう、帰っていいから!」

「ちょっ……」



< 346 / 469 >

この作品をシェア

pagetop