身勝手な恋情【完結】
和美は私の背中をぐいぐいと道路に向かって押し出すと、バッグから携帯を取り出す。
「今から電話するから! ほら、ひよはもう帰って!」
「ああ、うん……」
シッ、シッと犬のように追い払われる私。
切ない……と思ったけれど、仕方ない。
本当に和美が告白するのなら、ここにはいられないし……。
いや、でも本当にするの?
嘘だよね??
「じゃ、じゃあまたね!」
混乱しつつ、和美に手を振ってその場を離れる私。
とりあえず蓮さんのことも気になるし、青天目ビルヂングに戻ってみよう……!
――――……